HHKBを3年使って手が戻れなくなった話
HHKBを買ったのは、特別な理由があったわけではなかった。 ただ、三年使った今、もう普通のキーボードに手が戻れなくなっている。
最初の一週間は、むしろ後悔していた
正直に書くと、最初の一週間はミスタイプばかりで後悔していた。 配列が独特で、Ctrl の位置も慣れない。 高い買い物をした自覚があるぶん、戻れない理由を探していた節すらある。
それでも一週間を超えたあたりから、指が勝手に動くようになった。
静電容量無接点という打ち心地
静電容量無接点のスイッチは、底打ちする前に入力が確定する。 だから強く叩く必要がない。 最初は気づかなかったが、この「叩かなくていい」が一番効いた。
打鍵が軽くなると、力みが抜ける。 力みが抜けると、肩から指先までのどこにも余計な緊張が残らない。
姿勢が静かに変わっていた
三年のあいだに変わったのは、打ち心地だけではなかった。 コンパクトな筐体のおかげでマウスが近くなり、肩が開いた姿勢を自然と保つようになっていた。 意識して直したのではなく、道具のほうが姿勢を引き寄せた、という感覚に近い。
良い道具は、使い方を強制せずに、いつのまにか使い手の体を作り替えている。
沼の入り口でもあった
ここまで書いて気づくが、HHKB は私にとって 自作キーボード への入り口でもあった。 「叩かないキーボード」を知ってしまうと、スイッチやキーキャップの違いが気になり始める。
戻れなくなったのは手だけではなく、たぶん興味の方向そのものだ。
— fin. 2026-06-26
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